透明人間がうちにやってきた
小学一年生頃に、友達からとある「ペット」を借りたことがあります。
その当時、そのアメリカ人の友達はその”invisible FRIEND (透明人間)”を鳥かごの中に入れて、育てていました。彼女曰く、ある日の朝に色んな色のライトがピカピカと光り、手が触れた所から音が鳴ったと話しました。その時にとても小さな「透明人間」がいたと彼女は熱弁しました。一人の友達は思わず、「透明なのにどうやって見えるの?」と野暮な質問をして、彼女は「私だけが見える」と真顔で答えました。
少し疑われたと思った、そのアメリカ人の友達は、仲良くしていた私たちに”You can take care of 'it' for a day”と「1日だけ、「その子」を貸してあげてもいいよ」と言ってきました。その次の日に、彼女は鳥かごを持ってきて、”Who wants to go first?”と「誰が最初に持ち帰りたい?」と私たちに尋ねました。繊細な私は、もちろん手を挙げることはなく、前向きなリスクテーカーのアメリカ人は一斉に”Me! Me! Me!”と手を挙げます。その日から、その鳥かごは順次に回ってきて、次は 透明人間 がうちに遊びに来る番でした。ついに「その子」はついにやって来ました。そして、私の中で一番忘れらない アメリカ生活の小学校の思い出となりました。
忘れられない、アメリカ生活の小学校の思い出
注意事項は”You can take it out but you have to close the door after you put it back or it will escape. You have to play with it. And you have to give it crackers.” と真剣な顔で言われました。家に持ち帰り、母に「外に出して良いけど、出したあとは必ずドアを閉めないと逃げちゃうんだって。必ず遊んであげること。そしてクラッカーをあげること。だって。」と言ったら、母は「楽しそうだね。良かったね。」と笑いながら、言っていたのを今でも思い出します。大人になった今では、その笑いの意味がよくわかりますが。
私はまずは鳥かごをしばらくを観察しました。しかし、何も起こりません。
母に「扉を開けてみていいと思う?」と聞いたところ、「出したいなら、出したらいいんじゃない?」と言われました。私は勇気を振り絞り、鳥かごの扉をそっと開けました。でも、「その子」が鳥かごからまず出たか、まだ中にいるかは全くわかりません。確認もしようもありません。なぜなら、私には「その子」を見る力がないからです。私は怖がらせないために、できるだけ優しい言葉を掛けようとしました。
▍繊細ポイント☝
”Hello? Do you want to come out and play?”
「おーい?外に出て遊んでみる?」
"We have a small swing here. Do you wanna hop on it?"
「うちには小さなブランコがここにあるよ。乗ってみる?」
”Okay... So, let’s go back to your house.”
「じゃあ・・・家に戻ろう」
”That was fun. Let's play later.”
「楽しかったね。また後で遊ぼう。」
と静かな「その子」と遊んで、戻ったことを信じて、そっと鳥かごの扉を閉めました。
・・・ですが、私はとんでもないことをしてしまったかも!と気付きました。私はそもそも「その子」が見えないから、鳥かごの扉を開けた時点で、気付かないうちにそのまま逃してしまったかも?!しれない、、、と考え始めました。シルバニアファミリーのブランコでまだ遊んでいるかもしれないけど、確認しようがありません。私は友達の大事な「その子」を失くしてしまったかもしれない!と更に焦りました。私はそこから、試行錯誤でクラッカーを鳥かごの中に置いたり、シルバニアファミリーのベッドを中に置いたりしました。でも、無反応な「その子」は何も言ってくれません。
そして、何度も扉を開けたり閉めたりしていたので、開け閉めしている瞬間に出たり、入れなかったら、どうする?、、、これは無限ループ!完全にどうしたらいいか、わからなくなってしまいました。
母は「大丈夫だと思うから、もう早く寝なさい。」と心配する様子もありませんでした。私はその夜は「その子」のことで頭いっぱいになり、一睡もできずに朝が来てしまいました。透明人間はちゃんといるのか?
私は腹を括って、「その子」が良い子と信じ、朝イチで友達に恐る恐る鳥かごを返します。そうすると彼女はカゴの中をを覗き、”Yeah. It’s there. Who was next?”と「うん、いるね。で、次は誰だったけ?」と簡単に言い放ち、私は「ちゃんと鳥かごの中に居たんだ・・・」と胸を撫で下ろしました。そして、二度と透明人間は借りないと心の中で誓いました。